苛性ソーダは何から出来るのですか?
2022/10/05
お客様からのご質問にお答えします
苛性ソーダとは水酸化ナトリウムのことで、固形石鹸を作る際には必要不可欠な強アルカリ成分です。
苛性ソーダが製造される前までは、石鹸は木炭または海藻の灰と油脂を原料にして作られていました。
木炭や灰がアルカリ性で、油脂を鹸化する作用があるためです。
苛性ソーダは近代化学工業の基本的な原料の一つとして、紙・パルプ・繊維・染料・食品工業まで多方面に使われています。
苛性ソーダの製造方法
1790年、苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)の製造方法がフランスの科学者ニコラ・ルブランによって発明されました。
工業的にアルカリが作られるようになって以後、苛性ソーダの大量生産で工業的に石鹸が作られるようになったのです。
苛性ソーダの製造方法は、ルブラン法、ソルベイ法と変遷し、現在では海水の塩を電気分解する「電解法」になっています。
日本国内では約360万トンの苛性ソーダが作られていますが、国内で使い切れない分は輸出されています。
石鹸製造に使われる苛性ソーダの量は、生産量の0.2%とごくわずかな量です。
副産物の塩素
この苛性ソーダが作られる「電解法」は1900年頃に開発されましたが、苛性ソーダとともに、塩素や塩酸が副生されます。
この副産物である塩素を原料にしたさまざまな近代化学工業が起こってきたのです。
塩素は消毒用、塩化ビニールなどのプラスチック原料などに使われています。
ダイオキシン問題で塩素の使用が問題になっていますが、塩化ビニール、塩化ビニリデンなどの生産が縮小または廃止されることになれば、塩素が副生しない苛性ソーダの製法(例えばソルベイ法など)へと転換していくことが考えられます。
苛性ソーダを扱う時の注意点
手作り石けんには欠かせない苛性ソーダは、強アルカリで劇物に指定されています。
直接手で触れると皮膚がただれたり、目に入ると失明の恐れもあります。
ご家庭で石鹸を手作りして楽しむ場合は、苛性ソーダの取り扱いに注意して、手袋、ゴーグル、長袖シャツなどで肌や目を保護する必要があります。
劇物に指定されている苛性ソーダですが、油脂と反応して弱アルカリ性の石鹸になってしまえば安全なものになります。
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